企画書たたき台を Claude Code で 1 時間 → 10 分|実物プロンプト公開

企画書たたき台を Claude Code で 1 時間 → のイメージビジュアル

新規企画の Word ファイルを開いて、書き出しに 30 分悩む。「誰に・何を・なぜ」の枠は浮かんでいるのに、文章の入り方が決まらない。気がつけば 1 時間が経ち、まだ A4 半ページも埋まっていない経験、皆さんもあるはずです。

企画書のたたき台作成は、広報マーケや営業の現場で「最も時間泥棒」になる業務の 1 つ。1 本に 1〜2 時間、月 5〜10 本ペースで発生し、年間 60〜240 時間が「企画書の書き出し」に消える計算です。これが多くの中小企業の現場の実態です。

年商 50 億規模の事業会社で広報マーケを 1 人で担当している筆者は、Claude Code に企画書たたき台を書かせて、1 本あたり 1 時間 → 10 分に短縮しました。本記事は実物プロンプトと Before/After サンプルを公開する手順書です。

本記事はAI 内製スタックの全貌で示した「広報マーケが AI に任せる業務 10 連発」の 5 番目の業務、企画書たたき台を単独で深掘りした続編に位置します。

企画書たたき台 AI 委任で月 10 時間 → 1.7 時間にする仕組み

企画書たたき台 AI 委任とは

「誰に・何を・なぜ・どうやって・いくら」の 5 項目を Claude Code に渡し、A4 1〜2 枚のたたき台を生成させる仕組みです。人間は構成と論理を判断し、AI が文章化と整形を担当する分業設計を指します。

広報マーケ 1 人運用の筆者は、Claude Code に企画書たたき台を書かせて月 10 本 × 1 時間 = 10 時間を 1.7 時間に削減しました。任せられるのは「社内向け企画提案」「キャンペーン企画」「コンテンツ制作企画」の 3 タイプ。任せない方が良いのは「経営戦略レベルの長期計画」「資金調達ピッチ」「M&A 関連企画」です。

この章では、AI に任せて成立する範囲と、人間が必ず残すべき役割を整理します。

AI に任せられる企画書 4 タスク

第 1 に、5 項目(誰に・何を・なぜ・どうやって・いくら)の文章化。第 2 に、A4 1〜2 枚レイアウトの構成。第 3 に、過去類似企画との差別化文の生成。第 4 に、想定 Q&A 5 問への回答下書き。これら 4 タスクは AI が安定して 80 点を出します。

人間が残すべき役割

論理の妥当性、社内政治の機微、競合との差別化判断、予算妥当性の検証。この 4 つは人間が必ず担当します。AI は「もっともらしい論理」を組み立てますが、社内の力学や競合の真の動向までは追えません。たたき台が出てから、人間が「この企画は本当に通るか」を判断する手順を運用に組み込んでください。

Before|手作業の企画書作成が時間を奪う 3 つの構造

企画書 1 本に 1 時間以上かかる原因は、書く速度の問題ではありません。3 つの構造的な理由が積み重なっています。あなたの会社の企画書作成も、似た時間配分になっていないか確認してみてください。

構造 1|書き出しの試行錯誤に 30 分

「背景から書くか、結論から書くか」で 10 分悩む。「数字を最初に持ってくるか、ストーリーから入るか」でさらに 10 分。書き出しが決まらないまま 30 分が経つというのは、企画書あるあるの代表格です。

構造 2|社内向け文体への調整に 20 分

同じ企画でも、上長向けと役員向けでは文体が違います。上長向けは詳細寄り、役員向けは結論先行。社内のレビュアーごとに表現を調整する作業に 20 分は普通にかかる構造です。

構造 3|過去企画との差別化記述に 10 分

「先月の企画と何が違うのか」「3 ヶ月前の類似企画とのスケール差は」を文書化する作業に 10 分。社内の意思決定者は「過去類似企画」と比較して判断するため、差別化記述の有無で承認確率が変わります。

3 つの構造を合計すると、1 本の企画書に 30 分(書き出し)+ 20 分(文体調整)+ 10 分(差別化)+ 10 分(実書き)= 約 70 分。月 10 本なら月 11.7 時間。年間 140 時間という規模感です。

After|5 項目入力 + テンプレ + 実物プロンプトの 3 段階

ここから具体的な実装手順に入ります。3 段階の仕組みを組むと、企画書 1 本の所要時間が 10 分に縮みます。あなたの組織で今日から動かせる粒度で書いたので、コピペしながら順に進めてみてください。

STEP 1|5 項目フォーマットを CLAUDE.md に登録

企画書の本質は「誰に・何を・なぜ・どうやって・いくら」の 5 項目に集約されます。これを CLAUDE.md に明示しておくと、Claude Code は新規企画依頼に対してこの 5 項目のテンプレに沿って下書きを生成します。

# 企画書 5 項目テンプレ

## 誰に
- ターゲット読者・ターゲット顧客
- 部署・役職・人数規模

## 何を
- 提案内容を 1 文で
- 期待される変化(Before → After)

## なぜ
- 課題の認識(数値で)
- 緊急度(今やる理由)

## どうやって
- 実行方法(3 ステップ以内)
- 必要なリソース・体制

## いくら
- 予算(試算根拠付き)
- ROI(投資回収期間)

STEP 2|過去採択企画 5 本をサンプル化

過去に採択された企画書から 5 本を選び、`samples/proposals/` ディレクトリに配置します。選ぶ基準は「社内向け企画」「キャンペーン企画」「コンテンツ企画」「予算 100 万円以下」「予算 100 万円超」の 5 タイプを 1 本ずつ。バリエーションがあると、新規企画への対応力が広がります。

STEP 3|実物プロンプト

新規企画依頼が来たら、以下のプロンプトを Claude Code に投げるだけ。

以下の 5 項目を埋めて企画書たたき台を書いてください。

# 5 項目
- 誰に: {ターゲット}
- 何を: {提案 1 文}
- なぜ: {課題と緊急度}
- どうやって: {実行 3 ステップ}
- いくら: {予算と ROI}

# レビュアー
{上長 / 役員 / 横並び部署 のいずれか}

# 制約
- A4 1-2 枚に収まる文字数(800-1500 字)
- samples/proposals/ の文体を再現
- レビュアーに合わせた粒度に調整
- 想定 Q&A を 5 問末尾に追加

このプロンプトで 5 分以内に下書きが返ります。あとは論理チェックと数値検証で 5 分。合計 10 分で 1 本完成。CLAUDE.md でルールを覚えさせる仕組みを一度組めば、毎回同じ品質で量産できます。

ハマりポイント 3 つと回避策|抽象化・社内政治・他社流用

3 ヶ月運用すると見えてくる定番のハマりどころが 3 つあります。先に知っておけば回避できる落とし穴です。

ハマり 1|抽象的すぎて誰にも刺さらない

AI は「もっともらしい一般論」を組み立てるのが得意です。「市場の変化に対応する」「競合との差別化を図る」のような抽象表現で埋まった企画書になると、レビュアーが判断できず、保留・差し戻しが続きます。

回避策は、5 項目の入力時に「具体数字」を必ず含めること。「市場の変化」ではなく「2026 年 Q1 で競合 A の新規顧客獲得が 23% 増」のように、検証可能な数字を渡せば、AI も具体的な企画書を返します。

ハマり 2|社内政治の機微を読み損ねる

「この企画は B 部長と C 役員の利害が対立する」のような社内力学は、AI には見えません。たたき台を AI が書いた後、社内のキーパーソンに事前根回しする手順を省略すると、せっかくの企画が政治的理由で却下されます。

回避策は、たたき台が出た後、必ず「社内根回しチェックリスト」を 5 分で確認する手順を入れること。「キーパーソン 3 人にチラ見せして反応を見る」「対立しそうな部署と事前すり合わせをする」の 2 ステップだけで、却下率が大幅に下がります。

ハマり 3|他社事例の不適切な流用

AI は学習データから「成功事例」を引っ張ってきますが、出典が曖昧な事例も平気で混ぜます。「A 社では売上 3 倍になった」と書かれても、実態は別企業の話だったり、数値が誇張されている可能性があります。

回避策は、企画書に他社事例を含める場合、必ず出典 URL を AI に提示させること。STEP 3 のプロンプトに「他社事例を引用する場合は出典 URL を必ず併記」と追記すれば、出典なしの架空事例が排除されます。

企画書 AI 自動化についてよくある質問

機密性の高い企画も AI に渡せますか

Claude Code はデフォルト設定で入力データを学習に利用しません。Anthropic の利用規約で明示されています。ただし、上場企業の重要事実(M&A・大型契約・人事異動)に関わる企画は、社内の機密管理規定に従って別途判断してください。一般的なキャンペーン企画やコンテンツ企画では、Claude Code で問題ありません。

採択率は外注の企画書代行と比較してどうですか

初期 3 ヶ月は外注の方が高い場合があります。AI 生成企画書は学習が進むまで「無難」になりがちで、刺さるストーリーが組めない傾向があります。3 ヶ月以降、過去採択企画 5 本を学習データに加えれば、社内文化に馴染んだ企画書が出るようになり、外注同等の採択率に到達します。コスト差を考えると、3 ヶ月の学習期間は十分許容範囲です。

PowerPoint 形式での出力は可能ですか

Claude Code はテキストでたたき台を出力します。PowerPoint への変換は、別途スライド生成ツール(LUMEN や Canva など)で対応するのが現実的です。テキスト下書き 10 分 + スライド変換 20 分の合計 30 分で、Word 提出と PowerPoint 提出の両方に対応できます。スライド主体の企画書は、別途AI 内製スタックの全貌で紹介した LUMEN プロジェクトのワークフローに分岐させてください。

承認後の改訂はどう運用しますか

初版 → レビュー指摘 → 改訂版の流れは、Claude Code に「以下の指摘点を反映して改訂版を出してください」と投げる運用が現実的です。指摘点を箇条書きで渡せば、3 分で改訂版が返ります。改訂作業も AI に任せることで、月 10 本のうち 5 本が改訂対象でも、改訂作業合計が 30 分以内に収まります。

岩崎 正宏UNLEASH TALENT 代表

大阪在住。映像制作・PR 戦略・SNS 運用・採用ブランディングを軸に、年商 50 億規模の飲食グループの広報マーケを兼任。KAIROS(記事生成)・SIGNAL(SNS レポート)・LUMEN(スライド生成)・FORMA(Web)・n8n(業務自動化)の 5 プロジェクトを 1 人で並行運用している。「企業の見せ方が招くブランドの消耗を防ぎ、現場の真価を一生の資産に変える」を信条に、中小企業の広報伴走を続ける。

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