Obsidian 育て方 Level 3|振り分けを仕組み化|INDEX.md の役割と書き方
受信箱に 30 件のノートが貯まり、「先週書いたあのメモ、どこだっけ」が起き始めたら、Level 3 に進む合図です。
多くの人がここで 「自分でフォルダ構造を考えて分類する」 罠にハマります。当社も最初の 3 ヶ月、フォルダ構造を 6 回作り直しました。毎回「これが完璧だ」と思って組み、1 ヶ月後に「やっぱり違った」と作り直す。この苦労を経て分かったのが、分類は「ルールを書いた紙」に従わせる方が安定する という事実です。
その「ルールを書いた紙」が、当社で INDEX.md と呼んでいる 1 枚のファイル。今回はその役割と書き方、当社の実物の中身を一部公開しながら解説していきます。シリーズ「Obsidian 育て方 5 段階」第 3 回。前回の Level 2(受信箱だけで運用)を経た方向けの内容になっています。
目次
Level 3 のゴール|分類を「人」ではなく「INDEX」に従わせる

Obsidian 育て方 Level 3 とは
vault の中に「INDEX.md」という設計書ファイルを 1 枚作り、そこに書かれたルールに従ってフォルダを分けて運用する段階。分類判断を「その時の気分」ではなく「事前に決めたルール」に委ねることで、分類の揺れと迷いが消えます。
「自分の判断で分類する」が続かない理由
Level 2 から Level 3 に進む時、多くの人がやってしまうのが「フォルダを 5 つ作って、書くたびにどこに入れるか自分で判断する」運用です。これが続かない理由は明確で、判断基準が日によってブレるから。
月曜の自分は「これは知見」と判断したのに、金曜の自分は「これはアイデア」と判断する。1 年経つと、同じテーマのノートが 3 つの異なるフォルダに散らばっている状態になります。当社で起きました。
解決策|分類ルールを「書いて固定」する
判断のブレを消す方法は、「自分の頭で判断しない」 こと。代わりに、判断のルールを 1 枚のファイルに書き出し、毎回そのルールに従う形にします。
「このタイプのメモは 01_知見、このタイプは 02_プロジェクト」という線引きが文字で残っていれば、迷いません。あなたの感覚にも、月曜の自分にも、金曜の自分にも、AI にも、同じ判断基準を適用できる。これが Level 3 の本質です。
もう一つの効能|AI が読みに来る最初のファイル
INDEX.md は人間用のルールブックでもありますが、もう一つ大事な役割があります。Claude Code が vault を読み始める時、最初に参照するファイルになることです。
AI に「私の vault のメモから関連情報を探して」と頼むと、Claude Code は INDEX.md を最初に読み、フォルダ構造を理解した上で他のノートを参照しに行きます。Obsidian × Claude Code 連携の解説でも触れた通り、INDEX が母艦として機能する設計です。
INDEX.md とは|vault の母艦になる 1 枚のファイル

INDEX.md という名前のファイルを vault のルートに置きます。中身は Markdown のテキストファイルで、以下のような内容を書きます。
INDEX.md に書く 4 つの要素
| 要素 | 中身 | 役割 |
|---|---|---|
| vault の目的 | 「何のための知識ベースか」を 2〜3 行で | AI が文脈を理解 |
| フォルダ一覧 | 各フォルダの名前 + 1 行の説明 | 分類判断の基準 |
| 振り分けルール | 「このタイプのメモはこのフォルダ」の対応表 | 判断の固定化 |
| 運用ルール | 命名規則・タグ・更新頻度などの取り決め | 運用の継続性 |
これだけ。ボリュームは最初は 50 行程度、当社の現行版でも 200 行に収まる規模です。長すぎると AI のコンテキストを食うので、簡潔さが正解。
INDEX.md を「育てる」感覚
INDEX.md は一度書いたら終わりのファイルではありません。運用しながら「このルールは違ったな」と感じたら、その都度書き直していきます。当社の INDEX.md も、過去 1 年で 30 回以上の改訂が入っています。
ご自身の運用の変化に合わせて INDEX が育っていく、というのが正常な姿。最初から完璧を目指さず、運用 1 ヶ月ごとに 5 行ずつ追記していくくらいの感覚で構いません。
フォルダ数の目安|3〜5 個でスタート
Level 3 で作るフォルダ数は 3〜5 個。これより多いと判断に迷い、これより少ないと分類の意味が無くなります。
当社の現行版は 5 フォルダ(受信箱・知見・プロジェクト・リファレンス・アーカイブ)。皆さんも最初は 3 つから始めて、運用しながら必要なら増やす、という順序が安全です。
当社 INDEX.md の中身を一部公開|真似できる構造

抽象論を続けても伝わりにくいので、当社の BRAIN の INDEX.md から、皆さんが真似できる部分を抜粋して公開します。
セクション 1|vault の目的(冒頭 3 行)
- 「BRAIN は UNLEASH TALENT の知見・案件・気づきを永続化する vault」
- 「Claude Code が業務で参照する母艦として機能する」
- 「外部公開しない。クライアント機密を含むため」
3 行だけ。これで AI が「このノート群は社内向けで、クライアントには見せない」という前提を理解します。あなたも同様に、自社の vault の用途と機密レベルを 3 行で書けば十分です。
セクション 2|フォルダ一覧(全 5 行)
| フォルダ | 中身 |
|---|---|
| 00_受信箱 | 振り分け前のメモ。週末に整理 |
| 01_知見 | 業務で得た気づき・ノウハウ・パターン |
| 02_プロジェクト | 案件ごとのログ・議事録・進捗 |
| 03_リファレンス | 外部記事・引用・調査結果・データ |
| 99_アーカイブ | 1 年以上参照していない過去ノート |
名前の前に 00_ 01_ のような数字を付けると、Obsidian の左サイドバーで番号順に並びます。視覚的に整理されて気持ちいいので、推奨設定です。
セクション 3|振り分けルール(最重要)
分類で迷わないために、典型的なメモのタイプごとに「どこに入れるか」を事前に決めておきます。当社の振り分けルールは以下の通りです。
- 議事録の断片: 02_プロジェクト 配下のクライアント名フォルダ
- 気づき・パターン: 01_知見
- 外部記事の引用: 03_リファレンス
- 翌日の自分への申し送り: 00_受信箱(短期メモ扱い・1 週間で削除可)
- 判断に迷うもの: 00_受信箱(後で AI に振り分けてもらう)
最後の 「迷ったら受信箱」 が運用継続の鍵。判断を保留できる場所があると、書く瞬間の心理的負担がゼロになります。Level 4 で受信箱の振り分けを AI に任せる前提なので、ここは深く考えずに放り込んで構いません。
セクション 4|運用ルール(命名・更新頻度)
ノートの命名規則と、INDEX.md 自体の更新頻度を最後に書いておきます。
- ノート名:
YYYY-MM-DD_キーワード.md形式(例:2026-04-26_採用ブランディング_気づき.md) - INDEX.md は月 1 回見直す(毎月末に振り分けルールが現実と合っているか確認)
- 新フォルダの追加は INDEX.md の更新と同時に行う
これで Level 3 の INDEX.md は完成。総量で 50〜100 行、書き始めから完成まで 30〜60 分の作業です。
Level 4 に進む条件|INDEX 通りに振り分ける負担が見えた時

INDEX.md を作って 1 ヶ月運用すると、新しい問題が見えてきます。それが Level 4 に進むサインです。
サイン|週末の振り分け作業が 30 分を超えた
受信箱に貯まったメモを、INDEX のルールに従って手動で振り分ける時間が、週末に 30 分を超えるようになったら Level 4 へ。それより少ない時間なら、Level 3 のままで十分です。
| 週次の振り分け時間 | 推奨アクション |
|---|---|
| 10 分未満 | Level 3 を継続(手動で十分) |
| 10〜29 分 | Level 3 のまま運用 |
| 30〜59 分 | Level 4 への移行を検討 |
| 60 分以上 | Level 4 へ進む(手動の限界) |
シリーズ次回予告
振り分け作業が手動の限界を超えたら、次回 Level 4 へ。次のテーマは 「振り分けすら AI に任せる|inbox-triage の実装」です。当社で運用している、Claude Code が受信箱を読んで自動でフォルダ振り分け案を提案する仕組みを、実装手順ごと公開します。
5 段階全体の俯瞰図は Claude Code 育成 5 段階の地図と並走する構造です。Obsidian も Claude Code も、Level を上げるごとに「人間が手を動かす時間」が削減されていく設計になっています。
Obsidian Level 3 についてよくある質問

INDEX.md の書き方を間違えると、過去のノートも巻き添えで壊れますか
壊れません。INDEX.md は単なるルールブックで、ノート本体には一切影響しません。書き直しても、フォルダを変えても、過去のノート内容は残ります。「失敗したらやり直し」が気軽にできるのが、Markdown ファイルの強みです。安心して試行錯誤してください。
フォルダ名は日本語と英語、どちらが良いですか
日本語で問題ありません。Obsidian も Claude Code も日本語フォルダ名を正しく扱える仕様です。当社も「00_受信箱」「01_知見」のように日本語で運用しています。英語の方が良いケースは、海外メンバーと vault を共有する場合のみ。社内利用なら日本語の方が直感的に分類できます。
サブフォルダ(フォルダの中のフォルダ)はいつから作りますか
Level 3 ではサブフォルダを作らないでください。階層が深くなると Obsidian の左サイドバーで見えづらくなり、分類判断も複雑化します。サブフォルダが必要になるのは、たとえば「02_プロジェクト」配下に 10 件以上の案件が並んだ時。Level 4 以降、ノートが 200 件を超えてから検討するテーマです。
INDEX.md を AI に書いてもらうことはできますか
できます。Claude Code に「私の vault は中小企業の経営に関するメモを集める用途で、現在受信箱に 30 件のメモがある。INDEX.md のひな型を提案して」と頼むと、5 つ程度のフォルダ構造とルールを提案してくれます。あなたが完全にゼロから書く必要はありません。AI の提案を 80% 受け入れて、20% 自分の好みに調整する、という流れが実用的です。
